消費者意識調査 2016年2月発表

若者は消費者教育の重要性を認識

-平成生まれの消費者意識とは-


一般社団法人消費者のみらいを考える会は、①自立した消費者になるために何が必要か、②消費者が商品・サービスを選択するときに重要視することについてアンケートを実施しました。

 

調査結果概要ならびに結果詳細データについては下記からダウンロードできます。

ダウンロード
消費者意識調査概要201602
消費者意識調査201602_消費者の未来を考える会.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 123.7 KB
ダウンロード
調査結果詳細データ
survey201602.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 73.5 KB

また、結果概要について下記にも記載しておりますので、あわせてご確認ください。


結果概要

今回の調査では、一般的な消費者が、より良い生活環境を確立していくためには、法規制の強化という手法ではなく、消費者自身が情報収集力や判断力を向上させることが最も重要であると考えており、実際、商品やサービスの特性に応じた選択と判断を行っているという「主体的な消費者像」が浮き彫りとなりました。一方で選択と判断の支えとなる「消費者教育」についての意識は、平成生まれの20代が、全世代平均の2倍近く高く、学校教育を経験した世代の方が消費者教育の重要性を認識しているという興味深い結果となりました。

 

自立した消費者が主流に

消費者教育の重要性に対する認識に、年代によって顕著な違いが見られました。

消費者教育が最重要と回答した方は、全体平均では11.9%と決して多くはありませんが、20代ではその2倍近くの21.0%が重要と回答しています。平成20年および21年に小中高の学習指導要領が改訂され、学校現場に消費者教育が導入されましたが、まさにその消費者教育を経験した世代が、その上の世代よりも強く消費者教育の重要性を認識していることは興味深い結果と言えます。また、世代が上がるほど、自らの情報を収集・活用する能力を重視する傾向にあるという調査結果からは、高齢者が甚大な消費者被害を受けてしまうことの原因の一つに自らの能力を過信することにあるのではないかという推測を行うことが可能です。かかる推測が正当なものか、引き続き検証を進めるとともに、対策を行うことも急務と言えます。

 

なお、「消費者教育」は、「自ら情報を収集・活用する能力」を高める一手段であると考えることもできます。学校で消費者教育を受ける以外に、どのような方法で「自ら情報を収集・活用する能力」を高めることができると考えられるのか、今後、更に調査してまいりたいと思います。

 

クスリは安全に、電気は安く

消費者が商品を選択する際の基準は、購入しようとする商品やサービスの性質に応じて変えるであろうとの予想は、今回の調査を通じて、改めて裏付けられる結果となりました。

 

「安全性」が最も重視されるものは「医薬品」や「食料品」という結果でしたが、「食料品」に関しては「価格」も無視できない要素となっています。他方、その「価格」を最も重要視するものは、「電力」「宅配」「インターネット接続」などであり、これらは直接生命や身体に影響するものではなく、どちらかというと品質の差が見えにくいサービスであると言えます。また、「教育」や「美容」に関するサービスにおいては、「評判」を重要視するという回答が目立ちます。これらは品質の差が大きいと思われるサービスですが、消費者からは、購入前にその差を確認することが難しいからではないかと考えられます。

このように、消費者は、購入する商品やサービスの性質に応じて何を重視するのかを自ら選択し、判断していることが分かります。

 

商品・サービスを提供する事業者や、消費者保護の施策を検討する規制当局は、このような消費者の商品選択におけるニーズを理解し、十分に応えているといえるでしょうか。商品やサービスの性質の違いや、消費者の多様性を考えずに、一律のルールを作ることはもはや現実的ではありません。消費者の選択肢が最大限確保できているのか、みらいでは、引き続きこの点を検証していきたいと思います。

 

■調査の概要

実施期間  2015年12月21日~2016年1月6日

調査対象   20~60代までの消費者

有効回答数   1,016件

調査方法  ウェブアンケート方式(当団体サポーター会員およびジャストシステム社への委託)

 


調査結果

Q1 消費者は日々多様な選択肢から商品・サービスを選んでいます。主体的な判断と賢い選択ができる消費者となるために、"重要なこと"はなんだと思いますか。あなたの考えに最も近いものを選んでください。(n=1106)

規制強化よりも、自分の消費者力を高めたいと考えている消費者が多いことがわかります。自らの情報を収集・活用する能力の向上という回答が4割近くと最も多く、反対に法律や行政によるルール整備や市場監視が重要であるという回答は1割に満たないという結果となりました。自立した消費者は、自らが能力を向上させていかなければならないという意識をもつことこそが重要であると考えているといえます。


Q2 世代別 主体的な判断と賢い選択ができる消費者となるために、"重要なこと" (n=1106)

消費者教育が重要だという回答したのは、学校教育で消費者教育を受けた世代(20代)に目立ち、30代以降は自ら情報を収集・活用する能力の向上が必要と考える傾向がみられます。経験によって消費者力を培った世代は消費者自身の能力の向上を重要視しているともいえますが、一方で地域や学校で教育を受ける機会がなかったため、その必要性を意識する機会が得られていないことが要因であるともいえます。また、世代が上がるほど、自らの情報を収集・活用する能力を重視する傾向にあることから、自らの能力を過信し、その結果、高齢者はより重大な消費者被害を被る結果となっている可能性も否定できません。


Q3 以下の商品やサービスを購入、申し込みするとしたら、何を"重視"しますか?あなたの考えに最も近いものを選択肢より選んでください。(n=1106)

このたびの調査で、「医薬品」や「食料品」といった生命・身体に直接影響する商品に限っては、「安全性」が重要だと考える消費者が多くみられますが、その他の商品やサービスでは、「安全性」に対するニーズはむしろあまり高くないという結果となっています。また、教育や美容に関連するサービスにおいては、「評判」を重要視するという回答が目立ちます。実際に利用した口コミ等第三者の客観的な意見を材料として検討し自ら判断していることがわかります。全般的にみると、消費者が重要視する点は画一的ではなく多様化しており、商品やサービスの性質やそれぞれの価値観にもとづき、コストパフォーマンスを重要視した合理的な行動をとっていることがわかります。